本書は書店に並ぶ、いわゆる「自己啓発書」の一つと同じように括ってしまうにはあまりにもったいないほど、素晴らしい本です。

巷にある、自称自己啓発書の多くはその本を読み終えた瞬間は高揚感も高く満足感こそあるものの、数時間、数日経過したときにその熱を維持できているかと問われると、決してそのようなことはないと思います。

本書はそういった意味からまったく異なります。

本書を読み終えたとき、読者の一人一人が「自分は今、何をしなければいけないのか」明確に分かっているのです。一人一人の読者が置かれた立場や考え方は異なるものの、

まるでロビンズから個人授業を受けたかのように具体的に固有名詞でもって「自分のやるべきこと」をクリアにできるのです。

本書を読むことで間違いなく、その読者の人生は変わってしまいます。全ての出来事に対し、責任をもつことの重要性を痛感し、そして実際に責任をとり始めるからです。

責任をとるということは、人生の舵を自らが握ることに他なりません。責任を取りたがらない人は、永遠に被害者意識を捨てきることができず、一生幸せになることができません。

それをロビンズは「責任を持たないと被害者意識の中で人生を歩むことになってしまう」という表現をしています。

本書をお読み頂ければ全てのことに対し、責任を感じることができるようになると共に、苦痛と幸福が目の前にあるとき、一切の迷いなく幸福を選択できるようになるのです。

アンソニー・ロビンズからしか得られないインスピレーション


 本書の著者であるアンソニー・ロビンズは今でこそ総資産500億円とも言われる大富豪に上り詰めていますが、若くして成功を掴んだわけではありません。

彼の20代は苦労の連続でした。実際、彼が20代の頃はビルの清掃員を月2万円という報酬でしていたのです。それが僅か30年足らずで富豪にまで変貌したのです。

彼はこの大変化の原因について問われると、いつも決まって「成功について研究し、実践しただけだ」と答えます。

ここにアンソニー・ロビンズからしか学ぶことのできない理由があるのです。

なぜなら、彼の成功は偶然の産物として得られたものではなく、彼が苦難の道の中で「成功について」研究した研究結果だからです。

これを真似すればきっと誰でもロビンズと同じとは言わないまでも、似た結果を得られるはずなのです。

彼は口癖のように「成功にはマインドセットが重要だ。そして、マインドセットも感情も筋肉と同じようにトレーニングによって鍛えることができる」と言います。

要するに、成功は客観的な事実である前に自分自身が成功しているかどうか、自己認識するところからはじまると言うのです。

そのようにロビンズが断言するとほとんどの人は「そのようなマインドはもつことができない」と、言い換えしてくることもロビンズにはお見通しです。

ロビンズはそのような言い返しに対しては「マインドがもてないのは、マインドの問題ではなくマインドセット、つまり心持ちの準備ができていないからだ」と答えます。

マインドセットが十分に準備出来ていればもはや成功したも同然なのです。

本書ではこのようなマインドセットについても、丁寧に説明してくれています。

ロビンズが紹介してくれているマインドセットの作り方と「成功する投資」を直接的に考えることは難しいかもしれませんが、本書を読み終えたとき「自分のマインドセット」と「投資の成功」が密接に関連付けられていることに気づくことができるでしょう。

今こそ「ファイナンシャル・リテラシー」を学ばなければいけない理由


本書は暗にマインドセットや成功論など、いわゆる自己啓発的な部分にも触れていますが、メインはファイナンシャル・リテラシーについて書かれています。

ファイナンシャル・リテラシーといってもピンとこない人も多くいるかもしれませんが、簡単にいえば「お金の教養」と言い換えることができます。

「人生はお金が全て」などというと日本ではとりわけ嫌われてしまいますが、ロビンズはこの現実を否定しません。

もちろん、人生お金が全てだ、などと断言してしまうと語弊が多分にありますが、人生を楽しく安心して送っていくためには「お金」という存在を軽視することなどできないのです。

それだけお金が大切なのにも関わらず、日本ではほとんどお金に関する勉強をせずに大人になります。「どのようにお金を稼ぐか」というお金の稼ぎ方は勉強しますし、

「どのように節約するか」といった節約術についても勉強しますが、本書が取り上げているような「どのようにお金を増やすか」という投資に関してはほとんど勉強する機会がないのです。

本当の意味でお金から解き放たれ、自由を手にいれるためにはお金を稼ぐ方法から、お金を増やす方法を勉強しなければいけません。本書はその必要性をあらゆる方向から説いてくれています。

きっと、本書を読み進めれば読み進めるほど、投資の必要性とその可能性について感じることができるでしょう。

普遍的な投資哲学を学ぶことができる


皆さんは「投資」と聞いてどのようなことを連想されるでしょうか。おそらく投資をしたことがない人ほど「投資=ギャンブル」という発想をもつと思います。

「株価が上がりそうな会社を予想、投資し、予想通り上がったら売却する。これを繰り返す」というのは投資の基本的な利益を生み出す構造ですが、こればかりをやっていてもお金から自由になることは難しいのです。

確かにこの方法を繰り返すようでは「投資=ギャンブル」という次元でしか理解することはできないでしょう。

ロビンズはこの投資に対する考えを真っ向から否定しています。ロビンズは株式投資で成功する秘訣について、単刀直入に本書の中でこのように表現しています。

「このゲームに勝つのに、未来を予測する必要などない。あなたが本当にしなければいけないことは、自分にコントロールできないものは放っておいて、コントロールできるものに集中することだ」と言い切っています。

これは株式投資だけではなく、あらゆる人生の悩みにも当てはまることではないでしょうか。私たちが抱える人生の悩みの多くが、自分でコントロールできることと、自分ではコントロールできないことを混合して考えてしまい、全て自分でコントロールしようとするところから始まります。

株式投資を少し勉強した人の多くは新聞やスマホのネットニュースから最新のトレンド、経済情報を取得し毎秒毎秒生きもののように動き変わる株価に合わせて投資先を変えることを「投資」だと勘違いしています。

このようなやり方は戦略的投資とはいえず、ギャンブルの領域を脱することができません。

本書の中でロビンズが紹介してくれる、株式投資に対する考え方は投資だけに留まらず、人生全ての教訓とすることができます。

ロビンスは本書を執筆した目的を「人々が理想の生活を送れるよう手助けする」ことだと明言しています。この目的から本書が単に投資に関するアカデミックな学習書という意味合いに留まらないことを物語っています。

自分の財布からお金を盗まれていることに気づく


自分が気づいていないだけで、実は知らない間に自分の財布からお金を盗まれていることを、本書の中でロビンズは一つ一つ丁寧に例を挙げながら教えてくれています。

投資を通じて、「お金でお金を増やす」テクニックや考え方を身につけることができても、せっかく増やしたお金を財布から抜かれているようでは、まったく意味がないからです。

本書の中でロビンズは「手数料」を引き合いに出し、「君たちの乗っているボートに穴が空いている」という表現でそれに気づかせてくれます。例えば、コンビニエンスストアという便利なお店があります。ここでは24時間、時間を気にすることなくお金の入金や出金を行うことができます。

しかし、どれだけの手数料を奪われているか知っている人はあまりに少ないものです。こういった、一見わずかとも思える手数料でも「塵も積もれば山となる」という表現があるように、膨大な金額となるのです。

ロビンズは本書の中でしつこく「料金にふさわしいものを手に入れよう」と言っています。

つまり、手数料と見あったメリットを享受できるのであればそれは、それで良いと言っているのです。しかし、このように言われると「手数料がふさわしい料金」とは思えないものです。

本書の中でロビンズはいくつもの例を挙げながら、巧みな表現でそれがいかに大切なことか、そして反対に無駄なことか教え諭してくれているのです。

人生のマネープランを立てることができる


本書を最後まで読破、そして何度も読み返して頂ければ自身の成功についての哲学を明確にすることができるだけではなく、自分の生涯に渡ってのマネープランを考えることができます。

人生でお金に困らないようにするためには、出来るだけ早い時期からマネープランを描くことが最も重要なキーポイントとなります。

このように言い切ってしまうと、30代や40代、さらに60代の人はすでに時すでに遅しか、と落胆されてしまうかもしれませんが、決してそのようなことはありません。

ロビンズは口癖のように「今、この瞬間があなたにとって一番若いときだ。改めるに遅すぎるなどということは決してない」と断言してくれています。

本書では自分の人生で幸せを勝ち取る方法と共に、人生全体でのマネープランの描き方も丁寧に説明してくれています。その最大で最高のポイントを4つに絞って説いてくれています。

それは「損失を出さない」こと「ローリスク・ハイリターンを目指す」こと「節税効果を考慮する」こと「分散投資する」ことの4つです。これだけ聞くと、「なんだ、そんなことか。

当たり前ではないか」と思う人もいるかもしれませんが、ロビンズはこの当たり前でありながら実際に守れていない、この普遍的な事実を本書の中で懇切丁寧に説明してくれているのです。

本書を通じて学べることは投資に留まらず、もはや人生論とも言えるものです。